私は創作の理論の役割として、「自らを定義すること」が重要なのではと考えています。
創作というのは常に新たな世界を切り開くことです。
当たり前の事実を踏み台として、踏み入れたことのない領域へ足を入れることだと思います。
再現性の担保された理論に自身を回収させることにより、新たな踏み台と今までの自分を超える要請に迫られます。
理論化し、自身の独創的な意味をなくし、そこから脱するために創作をする。
これが理論を利用した創作のやり方なのかもしれないと考えています。
私がもしも自分のスタジオや会社などを立ち上げるのであれば、自社の理論や技術はすべて権利なしで公開したいと思っています。
すでに得た権利によって独創性を保存し続け、成長がそこで止まってしまうことが心配なためです。
自分の会社などを守るためには、成長を続け、新鮮な意味を生み出し続けるほかないということになります。
もちろん現実的ではないのですが、創作に全てをかけるのはこういうことかもしれないと思うと、ぜひやってみたいなと思うことです。